ドン・ファンに課せられた「代理欲求」

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ドン・ファンに描いたプレイボーイ「代理欲求」

17世紀スペインの伝説上の放蕩息子であるドン・ファン(またはイタリア語で、ドン・ジョヴァンニ)はプレイボーイの代名詞ともなっています。
ドンファンの愛の遍歴は、モーツァルトが有名なオペラの中で素材にしています。
世界各地で2065人にもおよぶ女性を次々とものにし、従者のレポレッロがそれを「恋人のカタログ」にしてしまうほどのプレイボーイであるドン・ファン。

 

そんな彼が、ある晩に騎士長の娘ドンナ・アンナのもとに忍び込びこんだところ、ドンナが大騒ぎをします。
そのためにドン・ファンは父親の騎士長に運悪く見付かってしまい、もみあいになった末に騎士長を刺し殺してしまいます。

 

その後も、ドン・ファンは性懲りもなくあちこちの女性を誘惑しては悪行を重ねて、放蕩の限りを尽くしますが、まったく反省の色はありません。

 

さらに新しい女性を者にしようと自分の館にて舞踏会を開催します。
しかしそこには父親の敵を取ろうとするドンナ・アンナをはじめとした、多くの女性やその関係者たちが集まります。
ドン・ファンは悪行を暴かれて、館を逃げ出します。

 

やっと逃げてきた墓場ではドン・ファンに殺された騎士長の石像が彼の前に現れます。

 

こりないドン・ファンは石像にさらなる悪事をを持ちかけますが・・・やがて床が割れて地獄へ落とされてしまいます。

 

浮気男に「プレイボーイ」の称号

さて、物語の中では散々な目に遭う「ドン・ファン」ですが、現代ではご存知の通り「2枚目のプレイボーイ」の代名詞にもなっています。
それについて、心理学では「代理満足」という言葉で説明されています。

 

彼のように放蕩三昧の道を行くのには現実的に難しく抵抗感もあります。
さらにたとえ女性たちを誘惑できたとしても、社会の規範や道徳に反するために避難されるでしょう。
だからこそドン・ファンを代理として欲望を満たしているという考えです。

 

代理満足は性欲以外にも、旅行に行きたいが時間も、体力も、お金のもないという人が、テレビの旅番組や風景のきれいな写真集を見て旅気分を味わったり、禁煙のために煙草に似たものを口にくわえることで近縁の欲求を満たしたりすることなどで欲求を満たしています。

 

欲求を抑えるだけでは、自己決定感という自分自身の意思で行動を決めたいという気持ちが抑えられずに、却って欲望を満たしたい気持ちが高まります。

 

しかし、代理満足を満たすことにより、不満や緊張から、短い間だけでも解放されることができるのです。
こうして、昇華された思いにより自身の浮気心も抑えられると、心理学の「代理満足」は考えられています。

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