それは責任転嫁というもの
浮気を繰り返している知り合いがいるのですが、話している途中で良く出てくるフレーズがあります。
それは「あなたのために言ってる」とか「彼のためにやってる」というセリフです。
具体的にどのように使われるかというと「浮気のひとつもしないと彼も息が詰まるよ、あなたのためを思って言ってるんだよ」とか「私が浮気しちゃうのは、彼のためなのよ。彼にもっと良くなってほしい、彼の過ちを気づいてほしいの」などなど。
てっきり好きな芝居のセリフでも言っているのかなと思いきや、本心からのお言葉だったというのに気が付いてビックリしました。
まさかこんな相手のためにならない相手のためがあったとは……!
相手のためか?自分のためか?
とても耳触りが良い言葉ですよね、あなたのためにやっているのよ、という言葉は。
もちろん誰かのために何かをしている人間は立派だと思いますし、素晴らしいことだと思います。
しかしこのセリフをやたらと口にする人間、そして行動と言葉が伴っていない人間は逆に要注意です。
大抵この手の人間は相手の言うことを拒絶すると「あなたのために言っているのに、どうしてわかってくれないのよ!」と逆切れしてきます。
そういわれましてもという感じですが、相手のためだと心から思っている相手には反論など通じません。
なぜなら彼らが思う相手のためとは、結局のところ『自分のため』に過ぎないからです。
自分の思い通りにしたい、自分が感謝されたい、自分が自分が自分が…
そんな自分大好きな彼らは、自分を否定されることに耐えられません。
しかし自分が否定されたのだということすら認めたくなくて、相手のためを思って言っているのに相手が言うことを聞いてくれなかった、相手が悪だ!という風に思考を転換してしまうのです。
親切の押し売りは迷惑
相手のために何かをしたいと思う気持ちはとても貴く大切なものです。
ただ、相手に自分の思う親切や考えを押し付けるようなことをしてはいけません。
また同じように「お前のためだ」などと言う相手も基本的には信用できないのです。
誰かのために頑張れるのは良いことですが、誰かのために何かをして感謝を得たいというのならそれはお門違いというものです。
感謝を求めずに相手のために行動するからこそ、貴いのです。
冒頭で申しあげたように、全く誰かのためになっていないことも相手のためと言えば美化されるような気がしますが、耳触りの良い言葉に騙されてはいけません。
冷静に相手のいうことを自分の中で考えてみて、やっぱり自分のためになっていないなと思うならそれをはっきりと伝えることも大切です。
夫婦でもあなたのためにやっているのよという態度は、結果的に不倫や離婚という事態を招きかねない危険なものだということを覚えておかないと取り返しがつかなくなってしまいます。
あなたのため、これが有言実行ならばよいことです。
そうでなければ、誰かが指摘しないとエスカレートしていくこともあります。
誰かのためは、自分のため。
自分が幸せになるために相手の笑顔が不可欠だから頑張ろうと思える様になったら、とても素敵なことですね。